【OLYMPUS オリンパス XA】使い方や外観レビュー、作例など 時代を変えたコンパクトカメラの名機
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OLYMPUS オリンパス XA とは
「OLYMPUS オリンパス XA」は1979年5月発売のコンパクトサイズのフィルムカメラ。
重たい一眼レフしか選択肢がなかった当時、レンズキャップいらずで、手軽にいつでも持ち運べ、35mmフルサイズで写せる、高性能を”カプセル化”した世界初の「カメラカプセル」として発売されました。
様々なアイデアやメカニズムが採用され、難しい操作が不要で、初めての人でも簡単に写せるカメラでありながら、プロやマニアでも満足できるカメラでもあります。
当時の販売価格は¥32,800でした。
主な仕様
- レンズ: FズイコーF2.8 35mm 5群6枚
- 絞り: F2.8 ~ 22
- シャッター速度: 10秒 ~ 1/500秒
- ピント調整: 二重象合致式(レンジファインダー)0.85m
- 絞り優先AE
- 内蔵距離計
- 逆光補正 1.5段
発売から40年以上。そんなオリンパスXAは、現代でも使えるカメラなのか、細部や使い方をチェックしていきましょう。
- OLYMPUS オリンパス XA とは
- フィルムの入れ方
- 絞りの合わせ方
- ピントの合わせ方
- 世界初の感圧式シャッターボタン
- フラッシュの使い方
- オリンパスXAで撮影した写真
- XAは買いなのか?
- フィルムを現像するなら
外観はこんな感じ。
大きさは、幅102mm×高さ64.5mm×厚さ40mm、重量は225g(電池別)。
手のひらに収まる大きさで、当時のカタログによるとタバコサイズの超小型。
特徴的なのは正面のカプセルの様なカバー。このカバーにより、レンズ保護に為に必要だったレンズキャップが不要になり、より気軽に持ち運べるカメラになっています。
材質は殆どがプラスチック素材。背面カバーは金属製になっています。当時はプラスチック素材を多用した初めてのカメラでした。
使用する電池はLR44/SR44を2個。コインネジ式の蓋を開けて入れます。
下部はレバーが付いていて、逆光補正・バッテリーチェック・セルフタイマーの操作が出来ます。
正面のバリア(カバー)をスライドすると電源スイッチON。
XAにはシリーズが存在し、XA、XA1、XA2、XA3、XA4 の計5種類。
その中でも、この「XA」は他のタイプとは違い、唯一レンジファインダーを搭載しています。
中央のファインダー横の小窓が距離計測用のファインダー。
フィルムの入れ方
35mmフィルムを使用するカメラなので、撮影前にフィルムを装填します。
上部の巻戻しノブを持ち上げて…
上にカチッと引き上げると、内部のロックが外れ、背面カバーが開きます。
フィルム室はこんな感じ。
左側にフィルムを入れて、右側のスプール(巻き上げ軸)のスリットにフィルムの先端を通します。
スプールの引っ掛かりにフィルムの穴が通っていることを確認したら、フィルムを少し巻き上げて…
すぐ横の「スプロケット」にフィルムの穴が綺麗に入っているかも確認します。
この時、巻戻しノブ(巻上ノブではありませんよ)を軽く回すとフィルムにテンションがかかり、上手くセットできます。
背面カバーを閉じてフィルムセット完了。
装填したフィルムの感度に合わせてASAダイヤルをセットします。
絞りの合わせ方
正面から見て左側の絞りセットレバーを上下に動かして、絞りを調節します。
絞りセットレバーを一番上の「Flash」にセットすると、後述するストロボ撮影が可能になります。
ピントの合わせ方
ファインダーを覗くとこんな感じ。
中央の四角い部分でピントを合わせます。側面にはシャッタースピードダイヤルが表示されています。
ピントを合わせるには、中央で二重に写っている被写体が一つに重なるように、フォーカスを調整します。
フォーカスを調整するのはレンズの下にあるレバー。
レバーを左右に動かすことで、最短距離0.85m~無限遠の間で調節を行います。
ピントがあった状態がこんな感じ。
二重に写っていた被写体が、中央で一つに重なっています。
側面のシャッタスピードダイヤルは明るさに応じて自動で変化します。
世界初の感圧式シャッターボタン
XAの特徴として、当時世界初の感圧伝導材を使用した「フェザータッチシャッターボタン」を採用してます。
これはボタンを押すというより、触れる感じでシャッターが切れるというもので、これによりシャッターボタンによる手振れを防ぐことができるのです。
オリンパスの技術力の高さを感じることができます。
初心者に優しい、複雑な操作不要で撮る方法
マニアには嬉しいレンジファインダーですが、カメラ初心者にとっては少し難しいかもしれませんが、XAには上記のピント合わせを不要にする設定があります。
その方法は、まず絞りセットレバーを黄色の5.6にセット。
次に、距離目盛を黄色の3mにセット。
後は大体3mの距離で構図を決めてシャッターを押すだけ、絞り設定や複雑なピント合わせをせずに撮影が可能になります。
フラッシュの使い方
XAは別売りの専用フラッシュ「A11」と取り付けることでストロボ撮影が可能になります。
使用する電池は単三電池1本。ストロボ撮影時に使用するフィルム感度はISO(ASA)100と400のみです。(一応200でも撮れました)
ストロボ時の絞りはF4に固定されます。
取り付け方は、側面の穴に合わせてセットし、フラッシュ側のダイヤルネジで止めるだけ。
前述した、絞りセットレバーを「Flash」にセットすると、電源が入り、フラッシュ上部のチャージランプがカチッとポップアップします。フラッシュのチャージが完了するとチャージランプが点灯します。
発光間隔は約10秒です。
チャージランプを押し込めば電源がOFFになります。
オリンパスXAで撮影した写真
解像度は同じ時代の一眼レフと比べると、そこまで高くはありませんが、柔らかな質感があります。
条件によっては、写真の四隅が暗く写る「周辺光量落ち」が起こります。
いわゆる、「トンネル効果」を狙いたいなら、これもありかもしれません。
ポケットに入るコンパクトサイズでありながら、レンジファインダーを搭載しており、絞り優先AEで撮影できるので、手軽でありながら撮影の楽しさは一眼レフのそれに劣らないものがあります。
XAは買いなのか?
トイカメラの様な手軽さに、本格的なメカニズムを搭載したオリンパスXAは、発売時のキャッチコピー通り、初心者からマニアまで満足できるカメラだと思います。また、大ヒットした機種でもあるので、製品数も多く、中古市場でも比較的多く出回っており、手に入れやすいです。もしかすると家の中を探せば見つかるかもしれません。
ただ、その操作性から、後年のオートフォーカス機の方が人によっては使いやすいかもしれません。
コンパクトサイズでマニュアル操作がしたい。レンジファインダーを使ってみたい。手軽に持ち運べるオリンパスXAは、きっと良い選択肢になるはずです。
フィルムを現像するなら
撮影が終わったフィルムは、フラッシュ楽天市場で現像するのがおすすめ。
筆者はモノクロフィルムでよく撮影するのですが、現像してくれるカメラ屋さんが近所にないので、ネットで現像しています。
撮影済みフィルムを送れば数日で仕上げくれますよ。